チューリング賞でだいたいわかるコンピュータ史 vol.3

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こんにちは。林田です。今月もチューリング賞の受賞者を紹介していきます。

前回までの記事はこちら→ vol.1 / vol.2

マーティン・ヘルマン&ホイットフィールド・ディフィー(2015年受賞)

マーティン・ヘルマンとホイットフィールド・ディフィーは、非公開暗号方式の発明者として知られます。

暗号は公共と深く結びついた分野です。普段から僕らのプライバシーを守っている暗号化技術ですが、かつてそれは自明のことではなく、ヘルマン&ディフィーをはじめとした暗号研究者たちの努力によって達成されたものです。

僕は大学の頃に、「暗号解読(サイモン・シン著)」という本を読み、暗号史の面白さを知りました。また、チューリングを主人公とした「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(主演:ベネディクト・カンパーバッチ)」という映画が2014年に公開されておりますので、それらに触れて暗号史の面白さに目覚めてみてはいかがでしょうか。

 

ケン・トンプソン&デニス・リッチー(1983年受賞)

ケン・トンプソンとデニス・リッチーはUNIXとC言語の開発で知られる人気者です。

彼らの仕事を振り返って気づくのは、基礎研究や基本的なアイデアにおいてはコルバトなどが築いていったなかで、トンプソンとリッチーは、それらを統合しパッケージするセンスに秀でていたのでないか、ということです。それにしても、ケン・トンプソンが70歳を過ぎて未だ現役の開発者という事実は、35歳定年説など加齢にナーバスになりがちなエンジニア界隈のなかで、元気が出る話だと思います。

ケン・トンプソン&デニス・リッチー(1983年受賞)

エドガー・F・コッドは関係型データモデルの考案者です。つまり、リレーショナル・データベース(RDB)の父と言える人です。

コッドはその功績に比して、ビジネス的・金銭的にはあまり報われなかった人でもあります。彼の考案したRDBは、勤務するIBMの既存事業と競合することから開発が阻まれ、世界初の商用RDBの座をラリー・エリソンのOracleに譲ることとなりました。

通俗的なテックニュースにおいては、ビジネス的に成功した開発者の話題が多くみられ、また、人気を博しています。そんななかチューリング賞は、技術的貢献やリーダーシップに対し与えられるものであり、多少地味ではありますが、重要な開発者や技術史を捉えるのに極めて重要な存在だと思います。

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