チューリング賞でだいたいわかるコンピュータ史 vol.1

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こんにちは。アプリデベロッパーの林田です。

マーク・アンドリーセンは「優れた経営者は、会社を良くする方法を百科事典のようにたくさん知っている」と言いました。これは、われわれ技術者においても「技術について百科事典のようにたくさん知っている」のが良い技術者の一つの在り方だと言えるかもしれません。

今日はその一助になる話として、「チューリング賞」の受賞者たちを振り返っていきます。

チューリング賞とは、コンピュータ・サイエンス分野において、大きな功績を挙げた人物に対して送られる賞です。受賞者は一年に一人のみであり、2018年5月現在52名(組)しか受賞者がいません。よって、チューリング賞受賞者を知ればコンピュータの歴史が(だいたい)わかるのではないかと思います。

では、順番に見ていきましょう。

ダグラス・エンゲルバート(1997年受賞)

最初は、言わずと知れたダグラス・エンゲルバートです。

エンゲルバートのもっとも有名な発明はマウスですね。近年ではトラックパットやタッチパネルの存在感も大きくなり、ラップトップ使いにとってマウスは若干縁遠いものとなりましたが、マウスがPCの操作性を決定付けたことに変わりはありません。

ハイパーテキストやマルチウインドウなど、現在あたりまえとなっている技術もエンゲルバートが関わっており、GUI全般の先導者であったと言えます。

 

エドガー・ダイクストラ(1972年受賞)

 

次はエドガー・ダイクストラです。エンゲルバートほど知名度は高くありませんが、プログラマにとっては馴染み深い存在です。

その代表的な功績が、構造化プログラミングです。元来プログラミングは、上から順番に1行ずつ処理を実行していく、というのが普通でした。CNC旋盤など、目的特化の工業機械では現在もそういう手法が残っていますね。しかし、現在のソフトウェアプログラミングにおいては、当然クラスとメソッドを書いてコードを要素ごとに抽象化する、構造化されたプログラミングが主流です。その先駆となったのが、ダイクストラでした。

また、ダイクストラはコンピュータのマルチタスク化にも功績があります。

 

アイバン・サザランド(1988年受賞)

 

エンゲルバートと並ぶGUIの有名人が、アイバン・サザランドです。

サザランドはCG、VR、ARの祖であり、世界初のGUIである「Sketchpad」(Sketchpadはオブジェクト指向の最初の例としても知られます)の発明者、世界初のヘッドマウントディスプレイ「The Sword of Democles」の発明者として知られます。

興味深いのは、サザランドの教官がクロード・シャノンであり、サザランドの教え子や部下にはアラン・ケイら多くの巨人がいることです。こういった師弟の系譜を追うのも、技術史の一つの見方だと思います。

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