ネット広告人のための広告業界史②ブランディング広告の100年

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こんにちは。林田です。

2010年代後半から、ネット広告によるブランディングの可能性が盛んに議論されています。

ということで、今回はブランディング広告について話をしていきます。

セオドア・F・マクマナス(1872-1940)

 

ブランディング広告の先駆となったのが、「イメージ派」の祖となったコピーライターのセオドア・F・マクマナスです。

マクマナスの代表的な仕事は、1915年のキャデラック「Penalty of Leadership(リーダーの代償)」キャンペーンです。同キャンペーンでは、キャデラックの製品紹介は一切せず、リーダーが受けることとなる数多くの困難と苦悩について述べました。
キャデラックがリーダーたちの苦悩に共感を示すことで、逆説的に、キャデラックをリーダー(とリーダーになりたい人)のステータスシンボルとしたのです。

 

ウィリアム・バーンバック(1911-1982)

 

ウィリアム・バーンバックは、20世紀における最も重要なコピーライターと言って間違いないでしょう。

その代表作となるのが、1959年のフォルクス・ワーゲン「Think small.」です。
当時のアメリカ人のステータスシンボルとなっていたのは、大きな家、大きな車といった、物量としての豊かさでした。そこに参入したドイツのフォルクス・ワーゲンの車は小さく、そして敗戦国としてのイメージを引きずっていました。「Think small.」キャンペーンが行なったのは、そんななかで「小ささこそが豊かなんだ」と宣言したことです。これが多くの共感を呼び、自動車業界に止まらないアメリカ文化の変革に繋がったとされています。

 

リー・クロウ(1943-)

 

リー・クロウは、スティーブ・ジョブズとともにAppleの企業イメージを作り上げた広告人です。

「1984」や「Think different.」など、伝説的テレビコマーシャルを作りました。ご存知ない方には、youtubeなどで検索していただいてぜひご覧いただきたい。

 

オリビエーロ・トスカーニ(1942-)

 

最後は、イタリアの広告写真家オリビエーロ・トスカーニで締めましょう。

トスカーニはベネトン社のルチアーノ・ベネトンと組み、「反広告」とも評されるキャンペーン群を生み出しました。人種差別、戦争、エイズなど、社会問題への問いかけを企業広告として行い、賛否両論を呼んでいます。トスカーニとベネトンのキャンペーンを巡って行われた議論は、現代においてインターネット上で数多く散見される広告の炎上や、ポリティカル・コネクトネスの問題と通じています。
ネット広告がブランディング広告としての力を持った現在、トスカーニの広告は改めて学ばれ、見直されるべきものでしょう。

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